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2011年度課外授業



マルティン・グロピウス・バウの正面玄関
生徒たちは、前もって授業でも浮世絵について学び、課外授業に向け、各自準備をしてきました。
そして課外授業当日は、中学部・高等部・日本語クラスの生徒26名に加え、教員や保護者も参加し、展覧会場であるマルティン・グロピウス・バウに行ってきました。

以下、写真と共にご紹介します。



鑑賞を始める前に、マルティン・グロピウス・バウのロックワイラー副館長(写真左)と、この展覧会をオーガナイズされたベルリン日独センターの清水副事務総長(写真右)から、話を伺いました。
ロックワイラー副館長は、若い人たちに文化を伝えていくことの重要性について話され、若い世代が展覧会に足を運ぶきっかけとなるように、マルティン・グロピウス・バウでは年齢にあわせたワークショプや学校のためのプログラムを行っている、と紹介されました。北斎回顧展にあわせた子どもたちのためのワークショップも行われているとのことです。

清水副事務総長は、浮世絵が生まれた背景となる江戸の成熟した社会と文化、そして北斎の90年にも及ぶ長い生涯と、浮世絵師としてだけでは捉えきれない、死の直前までも追求された北斎の芸術観について、説明されました。また、北斎の「富獄三十六景」の鮮やかな藍色が、実は1706年にベルリンで発見され、 オランダ人と中国人によって日本にもたらされた、当時は「ベロ藍」と呼ばれていた化学顔料によることを紹介されました。この「ベロ藍」は、今ではプルシャンブルーと呼ばれていて、この青色の発見により、色があせない安価な青色が絵具に使われるようになりました。この最新顔料を、北斎は「富獄三十六景」に使用し、そのおかげで今でも摺りたてのような鮮やかな青色が見られるのです。生徒たちは、ベルリンと北斎の意外な結びつきに、驚いていました。



富獄三十六景 神奈川沖浪裏 1831
葛飾北斎美術館蔵
その後、参加者全員で、上階にある展示会場へ移動しました。

彼らは、イヤホンガイドを聞きながら、北斎が70年にもわたる長い期間に制作した作品群を、若い時代から順に「春朗」、「宗理」、「北斎」、「泰斗」、「為一」「画狂老人・卍」と主な画号によって部屋別に展示された順番に、時代を追って見学していきました。


鬼児島弥太郎 1834
葛飾北斎美術館蔵
生徒たちは、オランダの銅版画の手法を取り入れた作品、紙を切り抜いてお風呂屋さんを作る工作キット、北斎漫画のユーモラスなスケッチ、百物語の幽霊の絵、有名な「富獄三十六景」シリーズをはじめとする大胆な構図の青色が美しい浮世絵、それとは趣むきが全く違う晩年の肉筆画などを鑑賞し、北斎の斬新さと多様性を目の当たりにしたのでした。そして、「なぜ、北斎がゴッホ、マネといった印象派の画家たちに影響を与えたのか」が理解でき、「美術史における北斎の重要性」を感じ取れたようです。

本校は、語学学校ではありません。日本人としての教養を磨くことも、非常に大事な教育の柱としています。そういう意味で、この課外授業を通し、金曜日クラスの生徒たちが、より日本の文化に誇りを持ってくれたのであれば、幸いです。



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